第11回 奄美大島のお話

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©ふわこういちろう

 この連載が途絶えて久しいのですが,そろそろいい加減に書かないとまずいのではないかと,なにしろ前回の連載のタイトルが「花粉のお話」で花粉症になりながら書いた3月の記事だったわけですが,もうこのままいくと次の花粉が来てしまいそうな季節です。

 ということで,年を越してしまわないうちにゆるゆる時間を書いてみることにしました。そもそもこのゆるゆるというタイトルが,今年の4月以降のわたしの大学業務とは全くあいいれなくなってしまい,まずいな書かないとなー,どうしようかなーと弘文堂の女性編集者お二人の顔がたまにもたげてくるのですが,その忙しさに書く機会を逸して今日にいたってしまいました。

 書くタイミングとしては,このブログの最初の記事であった「逆転のお話」の第2弾とか,ついにCS初出場ベイスターズのお話など(東京ドームに応援しに行きました),ネタ的には書くべきタイミングがあったのですが,いずれも執筆時間の確保ができないままに通り過ぎてきてしまったんですね。

 って,いきなり冒頭から言い訳だらけですね。さて本題に入りましょう。今回はゼミ合宿のお話をしたいと思います。

 わたしがA山G院大学に来たのは昨年の4月です。そのときに初めてゼミ募集をして,今年は2年目で,2期生になります。2期生は20名となかなかの大人数なのですが,前年度学年1位の学生もいますし,成績優秀者多数,かつわたしが弁護士ということもあり,司法試験を目指す学生もそのうちなんと7人もいます。税法を教えていて税理士さんや税理士を目指す院生とのつながりも多いので,税理士を目指すゼミ生もいます。

 前期は税法の判例の発表をゼミ生1人ずつやってもらったのですが,そのレジュメといい発表といいかなりの高レベルでしたし,夏休みに司法試験の過去問ゼミをやった際も,わたしが外部で教えているロースクールの学生の答案よりもわたしのゼミ生が書いた答案の方がレベルが高いということがあるくらい,とっても優秀な子たちの集まりなんです。

 と,いきなりゼミ褒めかよ,と思われたかもしれませんが,わたしはゼミ生たちが大好きなんですね(ほんとにいい子たちです)。

 そんな優秀でいい子たちのゼミなのですが,なのですが,という時点で,これから落とすはめになりそうな予感ですよね。って,実際落とす,というか落とされるのですが……。

 なんのことやら,ですよね。9月に夏休みにゼミの2期生(3年生)と奄美大島に行きました。3泊4日できれいな海を堪能でき,とてもとても楽しい思い出になりました。ゼミ合宿後,ゼミ生たちのSNSが奄美大島のエメラルド・グリーンの海一色になったくらい,です。あ,わたしのSNSもいまだに奄美大島の海です(ほんとよかったなあ)。

 奄美大島での4日間のうち,2日間は秋のディベート大会に向けた準備をしました。せっかくの奄美大島ですが,あっちなみに奄美大島は鹿児島県の離島です。バニラエアという格安の飛行機で行ったので,大学生でもお安くいけるプランでした(合宿係のIさん,あっ「ジェットコースターのお話」でジェットコースターにわたしを誘ったIさんですけど,ゼミ生になりました。いろいろありがとう)。

 そしてきれいな海をみたい!泳ぎたい!ところですが,9月は台風の季節。たまたま台風の前後で行くことができ台風は来ませんでしたが,初日も2日目もそれほどよい天気にはならず雨が降ったり止んだりでした(3日目,4日目は晴れました。そしてとても楽しい奄美大島ライフを過ごせました)。

 さて,「せっかく奄美大島に来たのに初日からホテルで勉強かよ」の空気を感じなくもない1日目の夜,夜ご飯はホテルでバーベキューでした。テラスを木山ゼミ生が占拠し,みんなで開放的な奄美大島の夜を過ごすことになりました。

 それにしても南国。9月の夜とはいえ,暑かったんですよね。いや,ほんとにわたしけっこう暑がりなんですけど,けっこう耐えられない暑さを感じていて,そのうえバーベキューだったので,さらに暑さを感じていたんですよね。

 で,隣に目をやるとライトアップされたプールがあるんですね。リゾートホテルみたいなプールですよ。

 それで,ゼミ長(Iさんと同じく、ジェットコースターに乗ったT君です。彼もわたしのゼミに入りました)を呼んで,「暑いからそろそろプールに入ろうか」と冗談で(いや半分本気で)言ったんです。

 ゼミ合宿の初日ですし,ゼミ長がプールに入ってくれたら面白いだろうなと。思いつき&暑さにやられて,です。はい,わたしけっこう適当なんです。

 で,ノリのいいゼミ長なので「わかりました。入りましょう」まではよかったのですが,そのあとに「せんせい」がついたんですよね。なんだかいやな予感がしたのも束の間,このゼミ長は,とつぜん合宿係のIさんに,服を着たままプールに落とされることになりました。

 そしてプールから上がってきたゼミ長が言いました。

 「せんせい,時計はとった方がいいですよ!」

 

 えっ。時計は?

 って,それわたしも落とされるのかよ?!

 

 で,まあ暑かったですし,そしてゼミ合宿初日ですし,奄美大島ですし,まあいいかと思い,時計とベルトはとりあえずとったんですね。

 はい。そして次の瞬間,プールに落とされていました。服を着たまま……です。

 とても暑かったこともあり,なかなか気持ちよく,わたしは泳ぎました。

 そしたら次第に他のゼミ生も……となり,何人か服を着たまま落とされたわけです。絶対に入らないだろうと思われた女子たちも(あ,わたしのゼミは20人中女子が14人で女子が多いのです)気がついたらいなくなっていて,どうしたのかと思ったら水着に着替えてきて準備万端,となったんですね。

 それでどんどん次から次へとプールに落とされ,そして水着を着た女子はもちろん,水着を着ていない女子たちも,最後は服を着たままプールに落とされました。

 気がついたらそのあと2時間近く,わたしたち木山ゼミ生は水遊びをしていました(ビーチバレーをしたり,泳いだり,白鳥のボートに乗ったりと)。テラスからはホテルのレストランの担当者の方がこっちを眺めていて,さすがにこれは謝った方がよいなと思い,テラスに戻り「すみません。ちょっとはしゃいじゃいまして」とお詫びしたのですが,ホテルの方は「いえいえ,いいんですよ。どうぞ楽しんでください」とおっしゃってくださいました。奄美大島の方いい人過ぎますね。

 という。

 はい。教員であるわたしがプールに落とされたことで,ゼミ生みんなが食事そっちのけで水遊びを始めた,というお話でした。

 優秀だのなんだのいいましたが,木山ゼミのゼミ生(2期生)って,遊びはじめるとすごいんですよね。飲み会もすごいです(ここには書けませんけど)。

 こうして,今年の木山ゼミの来年度(3期生)の募集ガイダンスでは,「オンとオフの切り替えが上手」(だったかな?)というパワーポイントが流れるなど(プレゼンのうまい副ゼミ長が説明してくれました),活発な雰囲気が(ゼミツイッターも最近できたのですが,トプ画の集合写真,みんなカヌーしてますし笑)示されています。でも、この子たちは本当に真面目でとにかくよく勉強しますし,発表やディベートのときなどの準備は半端ないです(ということで,ディベート大会の話はまたにしたいと思いますが,……そういって次回はいつになるだろぉぉぉ)。

 あ,来年度の3期生も10月にメンバーが決まりました(21名採用しました)。このブログを読んだ賢明な3期生のみなさんは,来年の合宿ではわたしを落とさないように気を付けましょう(動画まで撮られているんですよ。え?)。

 ふう。ほんとに久しぶりに,8か月ぶりに,ですが,ゆるゆる時間を書くことができました。あらためて首を長くしてお待ちくださった(えっ待ってないって?)読者のみなさま、かなり間をあけてしまい申し訳ありませんでした。

 では,また次回お会いしましょー!(って,いつだろう???)

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