第5回 カフェのお話

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©ふわこういちろう

 カフェのお話をしたいと思います。もちろん,今回も,こほん,いきなり本題に入ります。わたしには,行きつけのカフェがけっこうあります。どこのカフェが行きつけかをここで教えてしまうと,多くのファンの方が押し寄せてきて,お店とお客さんに大変なご迷惑をおかけすることになる可能性が,えっ? そんな可能性はないですって? ……たしかにそうかもしれませんが,わたしも知らない方から声をかけられるのは苦手ですので(これは,ほんとです。じつはたまにあります。本読んでますよとか,木山先生ですよねとか。いやほんとにたまにですけどね),お店の場所は非公開にしますが(って,これからの文章をよく読めばわかると思いますけどね,結局,どっちでもよいのです。えっ?),まず,わたしはスタバ好きです。そして,タリーズ好きです。ドトールも好きです。そしてブレンズコーヒーも大好きです。上島珈琲も行きつけのお店がありますし,エクセルシオールも行きます。ベローチェもサンマルクカフェも。って,ほとんどじゃないかよ,って突っ込みがきそうですけど,ええ,ほとんどです。なにしろわたしは1日自由な時間があれば,朝から夜までカフェをはしごして6,7軒をまわってしまうくらいカフェ好きなんです。

 で,何をしてるのかって? 本ですね。こほん,本です。本を読みます。もっとも,最近では原稿やレジュメの作成やゲラの赤入れもやりますし,専門誌や論文に目を通すことも増えてきたので,純粋な読書をしていないことも多いですけど,とにかく,ひとりでカフェで何かを読むことが好きなんです。人と一緒にカフェに行くのではなく,ひとりです。

 3月まで法律事務所にいたときには,お昼はその事務所近くのスタバでしたし,帰りにまた近くのドトールによく立ち寄りましたし,仕事中に事務所の下にあるブレンズコーヒーに行きテイクアウトでホットチョコレートを買って事務所に戻ることもよくありました。

 いまもお昼は大学近くのスタバです。4月中旬には早くも店員さんにわたしが「アイスショートソイラテ」を注文することを覚えられました。だいたいわたしの行きつけのスタバ(週末に行くスタバもあるので数店に及びます)の店員さんは,おそらくですけど,わたしが入ってきた瞬間にソイラテをつくる準備に入っているはずです。あ,いや,そこまでではないとしても,少なくとも「ソイラテが来たぞ」と思われているかもしれません(あるいは,あだなをつけられて,そのあだなで呼ばれているかもしれませんけど。えーと,そうだな。ソイラーが来たぞ,とかですかね)。

 それくらいカフェに行きまくるわたしは,お店の人に覚えられることも多いのですが,元来無口ですので(えっ?),注文以外に言葉を発することはほとんどありません。もちろん自分の素性も言いませんし,名前も言いません。でも,なんとなく覚えられて,こちらも店員さんを覚えて,少し世間話的なことを交わすことはあります。

 この夏休み,研究室は暑すぎましたし,エレベーターの工事で階段しか使えなかったこともあり,また事務所の方が近いこともあり,事務所を作業の中心場にしていましたので,大学近くのスタバには週1くらいになっていたときが少しありました。そうしたら「最近あまり来ませんね」と店員さんに言われたので(笑),「あ,わたしこの近くの大学なんですよ。いまは夏休みなんです」と答えました。わたしが大学そのものなわけではないですけどね(それくらいわかってますよね。すみません。つまらない冗談です。って,本当に大丈夫かなあ,このカフェ話で)。それで「ああ,そうなんですか」となんとなくわかっていただけたみたいですけど,そんな感じのやりとりが,わたしのスタバとの付き合いです(どんな付き合いなんでしょうね)。

 これに対して,事務所の下にあるブレンズコーヒーでは(テイクアウトにホットチョコレートを買いに行っていたお店ですけど),あっ,ブレンズのメニューって,スタバのように「ソイラテのアイスのショートサイズ」くらいの簡潔な注文では足りないのですよね(ちなみにスタバの店員さんは「アイスショートソイラテ」とそのあとに声をそろえて言われるのは知っていますが,わたしは「ソイラテのアイスのショートサイズ」と頼みます。めんどくさくてすみません)。で,ブレンズではどんな頼みかたが必要になるかといいますと,「テイクアウトで,ホットチョコレート,ミルクで,ホイップなし,サイズアップなしで」。これを毎回全部言う必要があるのです。ところが,事務所の下のブレンズのお姉さんはわたしのことを覚えてくれていて,ある日,わたしが「テイクアウトで。ホットチョコレート,えーと……」と言った瞬間に「覚えましたよ!」と言ったかと思うと,「ホットチョコレートの,ミルクですよね,それからホイップなし!それから,サイズアップなしで!でしたよね!」とわたしの注文内容まで全部覚えてくれていたんですね。このお姉さんに注文したのが2回目くらいだったように思いますから,その記憶力とサービス精神に感動してしまいました。それ以来,このお姉さんとは少し世間話もするようにはなったのですが(ナンパではないですよ。えっ,そんなことだれも言ってないですって。大丈夫かなあ,この連載),4月からA山G院大学に行くことになったので,これまでのように夕方になると事務所下のブレンズに行く,ということはできなくなったのですね。で,たまに事務所に行ったときには,ブレンズに行ってお姉さんと話をする,ではなく,ホットチョコレートを買いに行くのですが,お姉さんがいつもいるわけではありません。このブレンズにはもうひとりいるお兄さんもわたしのことを覚えてくれていて,このお兄さんともよく話をするのですね。

 それで先日,A山G院大学近くのブレンズに行ったときに(あ,もうすでに完全にわたしが通っている数店がバレていますね。大丈夫です。どうせだれも読んでないですから。えっ?いやそれは冗談ですけど,調べないとわかりませんから,そこまでする人はいないでしょう),あ,ちなみにこちらのブレンズはしょっちゅう行くわけではないので,また,店員さんも多いのでとくにこちらも覚えていないですし,店員さんからも(たぶん)覚えられていません。で,注文をしようとしたら,店員さんが「あっ…ああ!」と言うので,顔を上げると,なんと事務所の下のブレンズの店員さん(お兄さん)でした。「あれ,僕のこと覚えていますか」と話しかけられたので,「ええ,もちろん。○○町のですよね」と答えました。すると「僕,こっちに転勤になったんです」とのことでした。もともとスタバと違って,ブレンズは店舗数が少ないというのに,事務所と大学のたまたま近くにあるんですよね(これもご縁でしょうか,ブレンズさん)。

 ということで,今回もまたオチがない感じでクライマックスに近づいていますが,わたしがどれだけカフェ好きかというエピソードをちょっとお話してみました。ちなみに,週末はタリーズによく行きます(ハニーミルクラテを飲みます)。金曜の夜は上島珈琲で黒糖ミルク珈琲を飲むことが多いです。ドトールではハニーカフェオレのホットを飲みます。ベローチェではカフェラテのアイス,そしてサンマルクカフェでは大阪ミックスジュースを飲みます(え?)。

 そろそろおわかりになってきたと思いますが,わたしは甘いものが好きです。甘いものによって,わたしのさまざまな活動(どんな活動?)は,支えられているのです。これ以上お話をしていると,今度はスイーツの話が始まりそうですので(そのへんの話は,また次に機会があればすることにしまして),そろそろ……って,今回は何が言いたかったのかといいますとですね,カフェでひとりになる時間って,とても貴重ですよ,いいですよ,ということです。えっ?

 わたしの創作活動も(最近書けていませんけど),訴訟活動も(いまはお休み中ですけど),授業(レジュメとかですね)も,最近始めた研究活動も(論文とかですね),カフェが提供してくれた「美味しい飲み物」と「一息つける空間」と「店員さんの笑顔」に支えられてきたといっても,過言ではないのです。

 そんなに好きなのかよ!甘いものばっかりじゃね,というカフェ好きでない方からは,甘ったるい回だったかもしれませんが,あたまもすっきりしますし,きっと回転も速くなりアイデアも浮かびやすくなりますよ。なので,ふだん行かない方はぜひ1度だまされたと思って,ひとりカフェをして何か読んでみてください。

 えっ?(本当にこの連載大丈夫かなあ)それでは,次回またお会いしましょー!

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