第8回 バックナンバーのお話

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©ふわこういちろう

 バックナンバーのお話をしたいと思います。この連載を始めたのが今年の夏休み(大学の夏休み期間中)だったと思いますが,最初は週に1回くらいのペースで書ければなんて思っていたのですね。でも編集者の方から「そ,それは,おそらく後期が始まると先生は,ものすごくものすごーーーくお忙しくなると思いますので,む,むずかしいのではないですか?」と言われました(そうかなあ,とそのときは思いましたが)。それで「できればですけど,月に2回くらいのペースで更新していただければ,大変ありがたいです!」と言われたのでした。そのときわたしは「それくらいなら,全然大丈夫ですよ。でも書けるかぎりは週1ペースで書きますね」なんて安請け合いしたものですが,編集者の方のご心配のとおり,後期が始まると,そんな余裕はとてもとてもなくなりました(がーん)。そして,あれよあれよという間に,時間が経つ日々です(ほんとに早い。ああ早い)。

 とくに11月はゼミのディベート大会(税法ゼミが四大学そろい,1年に1回,ディベーで競う大会です。今年が25回目の記念大会でした。そしてゼミ生ががんばり,また同じ大学の他のゼミもがんばりA山G院大学は優勝することができました。やったね。というのは全くの余談であり,他方で軽いプチ自慢ですけど。えっ?)に出場したときから,わたしは中国税理士会の研修講師を担当するなど出張続きだったので(倉吉→松江→岡山→山口→広島→福山の6か所で講演をしました),また秋は大学の校務も多いため,土日も休みがない日々が続きました。そんなこともあり,11月も下旬に入ったというにもかかわらず,ブログの「バックナンバー」をみると,11月の更新はなんと「1」!じゃないですか。これまで8月から月に「2」以上の更新はできていたのですが,あっという間に時間が経ってしまい,ピーンチ!というわけで,いま11月22日なのですけど,日曜の夜に急きょ(本当は論文などもあるのですけど,まあいいや。いやよくないけど,こちらも書かないと!なのです),パソコンで書き始めたのが今回です。

 他の人が更新しているブログをみると「バックナンバー」が目に入りますよね。この人この月は異様にたくさん書いているなあとか,この月は何かあったのかな忙しかったのかな全然更新がないなとか,いろいろ思うものですが,この感じですと,この「ゆるゆる時間(たいむ)」も,今年の11月は木山先生は忙しいのかなあ(それとも早くもあきてやる気をなくしたのかなあ)とか思われそうな気がしてきました(というか,だれもそんなことは気にしないほど,このブログの更新は期待されていないかもしれませんが。うわあああ。そうかも。え?)。

 そしてわたしのあたまのなかは,いま12月しめきりのいくつかの論文でいっぱいで,このブログのネタがじつは!思いつかないのであります(って,これはやばいぞ!やばいぞ!やばい)。

 ということで「バックナンバー」を眺めて,これまでにないネタを思案したところ,そうだというものに何とかいま(いま?)ぶちあたりました。これしかない!

 ということで,今日は最近(今年)の10月にワープします(また,ワープかよって,はい。ワープ好きなんです。いつかしてみたいです。本当のワープってやつを)。後期にわたしが初めてもった科目に「フレッシャーズ・セミナー」という教養科目があります。これは法学部の教員であるわたしが,一般教養科目(この大学では「A山スタンダード科目」なんていっていますが)として唯一(そして初めて)持ったもので,受講生も法学部以外の学生がほとんどなんです。フレッシャーズとなっているのは,名前がなんともいえませんが(笑),1年生なんですね。大学(学部)の1年生の授業なんです。それで何をやるかというと(何をやるかは担当教員の自由とされているのですけど笑,わたしが考えたのは),「思考の授業」とテーマを決めてですね,20人の少人数演習科目なので,「結婚は必要か」とか「国家は必要か」とかそういった一般的にも議論できるようなテーマを毎回設定して,それで議論をしてもらおうと,そう考えたのです。去年この科目のシラバスを考えたときには,ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の,あの!かっこいい授業があたまに浮かんだのですね。で,そんな感じでやろうと思っていたのですが,それはそれでかっこつけたかたくるしい授業になりそうなだと思い,またせっかく少人数なので,完全参加型の(わたしは環境を整えるのみの)ゼミにしようと考えました。それで,大学1年生の学生20人(ちなみに無作為抽選で選ばれた20人なのですが,女子が17人と圧倒的に多いですけど)に,5人のチームに分かれてもらい,授業の最初の20分で準備をしてもらい,毎回2試合ずつディベートをしています。法学部のゼミのディベートは判例などが素材になり,条文や判例や法理論についての専門的な勉強も必要になるのですが,このフレセミ(略称です)では,そうではなく,身近なテーマで議論をしてもらうのです。そうするとなかなか面白い議論を学生がするんですね。「友達は必要か」というディベートのときには,ある学生は「家族には話せないこともあるのではないですか?」との質問に「教授と話せばいい」と答えたり(笑)。友達は不要であるという立場に立つと,相当につっこまれるわけですが,家では家族がいるという点を強調しても,大学ではどうするのかということになり,そこでは教授と話せばいいではないかという面白い議論をしていました。そんなフレセミですが,さまざまな学部の学生が集まっており,毎回参加型の議論をしているため,学生たちも早いうちから仲良くなってきたようです。

 わたしも交流ができるようにと,まだ開始して間もない10月に食事会をすることにしました。食事会は学部の授業では比較的わたしはよくやるのですが,集まった学生が毎週同じ時間に教室で顔をあわせるのに話すこともなく終わっていくという関係を打破できればと思って,できるかぎり1回は入れるようにしている懇親の場です。義務ではないので,自由参加で来たい人だけ来てもらいますが,そこで友達や仲間ができるときっと大学生活も楽しくなると思うのですね。もちろんもともと楽しかった人はもっと(さらに)楽しくなるのではないかなと。授業で知り合った友達とつきあいが続くっていうのもいいんじゃないかなあ,なんて思ったわけです。

 それで話を戻しますが,フレセミの食事会ではそんな意味でまだ開始してそれほど回数もたっていない知らない者同士20人の集まりですので,いろいろ話をしてもらえればなあーと思って楽しみにしていたのですが,始まってみると,なんと少数派の男子3名は欠席も含め不参加(え?),そして集まった12名は全員女子!ということになりました。それはそれで華やかでよいのですが,食事をして自己紹介もしてしばらくすると,その個室にはカラオケもあったのですが,だれかがカラオケをやろうよ,と言い出し(いや,わたしもカラオケは大学生のころ好きでよくやっていたものです。が,ここ最近はほとんどやっておらず,最後にやったのも3年くらいまえじゃないかなあという感じでした),だれかが歌い始めると,な,な,なんとそのまま最後までカラオケボックスと化してしまつたのです(え?)。

 しかもそこで女子大生が歌う曲は,なんと!わたしが全く聴いたこともない歌ばかりなんです!(笑)大学教授とはいえ41歳,まだ若いつもりでした(はい)。しかしこれは人生で初めて!一緒にいる人たちが盛り上がって歌っている曲を全く聞いたことがない,という状況になったのです(がーん)。

 ちなみにわたしがトイレに行っている間にサザンオールスターズの「TSUNAMI」が入れられており,おじさん(先生)なら歌えるだろうという心遣いで入れてくれたようなのですが(もちろん歌えます!),桑田さんのものまねをして(昔はこんなことばかりやってたからなあ)歌いました。なぜか歌いだすと,写真や動画を撮られましたが気にせず,歌える歌を歌いました(わたしはみていないのですが,この日出席しなかった学生もわたしのカラオケ動画をあとでみたようです。人気者だね(えへ)。えっ?(違うって))。調子にのって,よし得意なミスチルでいこうと「抱きしめたい」を歌ったのですが,「え?」「知らない」という雰囲気に包まれ,撃沈やべー,どかーん,ひゅぅぅぅぅ。そのあとはみんな(先生)もわかるモーニング娘。やAKB48などもみんなで歌い,とっても盛り上がりました!(わーい。20歳以上年の離れた先生も楽しめました。やったね!)

 で,このとき彼女たちが歌って盛り上がっていたある曲が,なかなかよかったのですね。わたしはいまは全然音楽を聴きませんが,高校時代は作詞作曲とかもしてましたし(ミュージシャンになりたいなあなんてけっこう本気で思っていたときもあります),大学時代はカラオケ三昧の毎日でしたし(チャラい学生だったんです),もともと法学じゃないや,邦楽好きなんですね。その好きな感じの曲だったので,終わった後に学生たちに聞き,そのアーティストが「バックナンバー」であると知りました。

 そうですかなり強引につなげましたが,今日のタイトルは,このオチへとつながるのでした(え?面白くない?)。back number ですね。正確には。このアーティストのアルバムやシングルを,最近大量に買い集めました(CD世代なのですよ。こほん)。このフレセミの忘年会で,学生と一緒に歌えればいいなって,いまがんばってCDを聴きながら練習中です。

 って,論文書かなきゃいけないのに,なにやってるんだって? いや3週間も休みなく働いていたのですから,日曜日にCDくらい聴きますよ(聴かせてください)。

 さて,オチというオチもないまま(強引すぎてきっと,は? という感じのオチだったと思います),今回は(論文をそろそろ書かないといけないので),このあたりで終えたいと思います。では,また次回(ネタがあれば)お会いしましょー!

 

追伸:「日曜日」と「クリスマスソング」そして「恋」「ヒロイン」がお気に入りです。若いころは出たファルセットが出なくなり,高い声で歌えないのがとてもとても残念ですが,忘年会のカラオケ,がんばりたいと思います。

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