第9回 スペシャルゲストのお話

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©ふわこういちろう

 スペシャルゲストのお話をしたいと思います。先日,わたしのゼミにとっても素敵なスペシャルゲストが来てくださいました。アナウンサーで,最近はバラエティ番組などでもご活躍されている,あの……小林麻耶さんが,なんと木山ゼミのゲストスピーカーとしてお越しくださったのです。って,先生のゼミって何のゼミだよ?たしか税法のゼミじゃなかったっけ,その税法ゼミと小林麻耶さんになんの関係があるんですか,なんて突っ込みはなしですよ(って,あなたも本当は来たかったんでしょう? こほん。次は呼びますね)。

 小林麻耶さんは「コトバが未来を作る。」というテーマで授業をしてくださいました。この授業を麻耶さんが大学で行われたのは3回目のようです。最初が今年の7月で,ネットのニュースで「小林麻耶,先生になる夢かなえる。上智大学で授業」といった記事をみつけたんですね。わたしは麻耶さんが先生になることを大学時代に目指されていたとご本人からお聞きしていたので,おおよかったなあ,さすが麻耶さんすごいなー,夢をどんどん実現されているなーと嬉しくなりました。同時に上智大学といえばわたしの母校ですからとても親近感を覚え,そうだ次はA山G院大学の木山ゼミにぜひお呼びしようなんて大胆なことを思いついちゃったんです。そのときのことは当時のフェイスブックに,麻耶さんのネットニュースを引用して「木山ゼミにもお呼びしようかなあ」なんて書きました。木山ゼミのTA(授業補助をしてくれる院生です)が激しく「いいね!」を押してましたけど(激しくいいね!を押すというのは,なんでしょうね笑。でも激しくいいね!を押していたのでした),そのときまさか本当に麻耶さんがゼミのゲストにいらっしゃるとはだれも思わなかったことでしょう。でもわたしはかなり本気で書いていたんです。というのも,麻耶さんは上智大学で初授業をしたときのことをブログ(まや☆日記*1)に,「またどこかで授業したいなあ」って書かれていたんですね。ってことは,もう,うちしかないじゃないですか。だからすぐにわたしはお誘いしたんです。次は木山ゼミに来てくださいと,でも木山ゼミは11人しかいないので,聴講生も呼んで多くしますので!と。って,なんでいきなり芸能人の麻耶さんに気軽にお願いできるんだよ!って突っ込みがあるかもしれません。

 ふふふ。わたし,麻耶さんとはお仕事をご一緒させていただいたことがあるんですね。『「聴く」日本国憲法』(中央経済社=エイベックス・マーケティング=ヤング・スタッフ編,2014年)*2という憲法の条文全文を麻耶さんが朗読したCDつきのムック本があるのですけど,わたしは『耳から覚える〈合格〉民法(第1巻~第3巻)』(合格新風会編,2013年)*3という民法の条文を女子アナウンサーの方が全文朗読するCD教材の監修をしたあと,この麻耶さんの憲法CDも監修させていただいたのでした。本をお読みいただけると,麻耶さんと,2年前なのにかなり若くみえる(笑。最近一気にわたしふけた気がしますね。はい。えっ?)当時の木山泰嗣弁護士がA山G院大学のキャンパスやテラスで一緒に楽しくお話しているシーンなどが写っておりますので,ぜひ見てみてください。

 そんな(どんな?)仲の麻耶さんですから,思い切ってお願いしてみたところ,「OKですよー」と快諾してくださったのでした。そして「11人でも大丈夫でーす」と何ととっても優しいのでした。

 ただ,さすがに11名では申し訳ないという思いもありましたが,それと同時に木山チルドレン(なんだそのあやしい団体はなんて思わないでくださいね。たまに飲み会や食事会をする,わたしの教え子たちの総称です)もぜひ呼びたいと思ったのです。芸能人の方だからということもありますが,麻耶さんはとてもお仕事の考えがしっかりされていて,夢の実現もどんどんされている素敵な方なので,学生にとってきっと将来を考えるうえで役立つお話が聴けると思ったんです。授業の時間ですから,他の授業があって残念ながら来られなかった方もいたのですけど,こうして呼んだ聴講生を含めた約50名が木山ゼミに集合しました。

 そうそう,ここでと,と,とつぜんですが,ワープをします(って,また途中でワープかよって,ワープって便利なんです)。ということで(どういうことで?),2013年の9月にたどり着きました。麻耶さんに初めてお会いしたとき,麻耶さんはとても素敵な笑顔でA山G院大学のキャンパスにあらわれました。そしてお会いしてすぐにプロのカメラマンの方からツーショットふくめ撮影されました。わたしがひどく緊張してぎこちなくなるなか,麻耶さんは笑顔で写真のポーズを自然にこなしながら,わたしにずっと優しく話しかけてくださったのです。わたしが驚いたのは,「先生は大学は上智ですよね。妹が先生と同じ上智なんですよ」というぐあいに,素人のわたしのことも事前によく調べられていたんですね。撮影のあと場所を変えてテラスで対談をさせていただいたときも,わたしが書いた『憲法がしゃべった。』(すばる舎,2011年)*4という本を事前に熟読してくださっていたことに感激しました。また,その数日後に今度はスタジオで朗読の収録をしたとき,麻耶さんは全部読み終えたあと,ご自身の声を1度聞いてみたいとおっしゃり,「どんなふうにするのがいいんですかね」とスタッフに確認されていました。そして,麻耶さんはもう1度別のトーンでやり直したいとおっしゃったんですね。わたしは,このときに完全に麻耶さんファンになったのでした(かわいいからだろって突っ込みはなしですよ。たしかにかわいい方ですので。って,え?)。それで何度も読み直したうえに完成したのがあのCDなんです。とくに前文については,麻耶さんらしいかわいさが印象的で,とてもさわやかなものになっています。完成版を聴いたときはスタッフ一同,感動ものでした。

 その後は,そんな麻耶さんのテレビをみたりブログを読んだりするようになりました。そこでお仕事に対する姿勢がとても誠実であることをますます知ったのです。長くなってきましたので(ただの自慢みたいになってそうな気もしてきましたので,っていつも自慢じゃないかよって,はい自慢も多少は笑,って,冗談ですけど),そろそろ授業のお話をしますと,麻耶さんの授業はゼミ生,聴講生からとても好評でした。学生の目の輝きがわたしなんかの授業のときとは全然違うのですね。みなさんとても感動していました。やはりお話がお上手! そして,麻耶さんはA山G院大学のOGですので,母校の学生の気持ちをわしづかみにするトークがさく裂していました。

 授業の細かい内容は公開しませんが,麻耶さんは夢を実現するためには紙に書き出してみるのが大事だということを,ご自身の体験談もふまえてお話してくださいました。これは,本当に共感できるお話でした。なぜなら,そういうことは自己啓発書が好きな人であればよく書いてある話だなと思われるかもしれませんが,わたし自身が紙に夢を書き出してそれをひとつひとつかなえてきた人間だからです。その数は数えきれないほどですし,書いたことのほとんどがかなったというのも事実なんです。たとえば,わたしは2008年3月に『小説で読む民事訴訟法』(法学書院)*5という2冊目の本を出版したのですが,その年のゴールデンウィークにカフェでコーヒーを飲みながら自分の夢を書き出していたときに,ふと思いつき「2008年は1年で8冊本を出す!」って紙に書いたんですね。それはさすがにむちゃすぎて,この年には実現しませんでしたけど,なんと3月,9月,12月と3か月に1冊を刊行して1年で3冊も単著を書くことができたのです。そして,このとき紙に書いたことはその4年後に実現します。2012年には本当に(単著だけで)8冊刊行できたからです。以後,年8冊は大した数字でなくなりました。紙に書いた(そのときはむちゃな)夢が現実になった例です。

 その原理はここで説明しませんが,これはとても効果があります。麻耶さんも授業でおっしゃっていたように「具体的に書く」ことも大事ですね。わたしは,具体的な数字で目標を定める,ということをすっかり最近やっていなかったのですけど,麻耶さんの授業を聞いてまたやってみようと思い,その週末に(2008年に『小説で読む民事訴訟法』を刊行してからずっと掲げてきた「10万部突破のベストセラーを出す」という夢が,じつは昨年の秋に達成されてしまったため,そのような数字もあげなくなっていたのですが),よし次は20万部突破だと目標をさらに高くしたんですね。そうしたら,なんとその数日後,出版社さんから「増刷が決定しました。ついに20万部突破です」というご連絡をいただいたのです(『図解 反論する技術 反論されない技術』*6というコンビニ版の本です。ディスカヴァー・トゥエンティワン刊行)。

 ほんとかよと思われるかもしれませんが,夢は目標を具体的に定めることでかなっていくものなのですね。

 さあ今年ももうあとわずか。新しい年に向かってあなたも,いまはむちゃかもしれない夢を紙に書いてみてはいかがですか。

 1つである必要はありませんよ。5個でも10個でも30個でも書いてみましょう。きっと来年いいことがありますよ(あっ,今年のうちにかなうものも出てくるかもですね)。

 麻耶さんが木山ゼミのゲストで「こうすれば夢はかないますよ」という熱いメッセージを語られたあと,多くの学生がわたしも夢に向かってがんばるって熱い思いになったみたいなんですね(その力は本当にすごいです)。小林麻耶さん,本当に素敵な授業をありがとうございました(お礼に学生からのメッセージ(感想文)をたくさんお渡ししましたが,いかがでしたか?)。またぜひ来てくださいね!

 そしてつい先日,麻耶さんの「夢実現,歌手デビュー」というニュースがネットで流れていました。また次の夢をかなえたわけです。

 

 ということで,なんだか今回はわたし以外の方の大きな力によっていいお話が書けた気がしてきました。

 では,また次回お会いしましょー!

 そして,よいお年を――。

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